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【専門家監修】犬の食糞を止める3つの方法|マナーの基礎知識

飼い主さんが困っている愛犬の行動のひとつに「食糞(しょくふん)」があります。
今回は犬の行動のプロ 中島秀輔先生に、この行動について教えていただきました。

正しいマナーの考え方を知って、愛犬と絆を深めましょう。

監修

中島 秀輔 さん

ワンズアップ株式会社 代表取締役

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犬と「食糞」

犬は個体にもよりますが、人よりも “野生の名残り” のような行動が深く根付いています。

「食糞」もそのなかのひとつの行動で、母犬が子犬のお世話の一環として便を舐めて清潔を保ったり、排泄物の痕跡をなくすことで外敵から身を守ったりと、野生下で生活するなかではごく自然な行動ともいえます。

しかしその一方で、生活環境などが原因で起こっている場合もあります。
「食糞」は飼い主さんの心理面だけでなく、ワンちゃんの体調や衛生面にも関わるため、早めに対処する必要があります。

3つの原因と対処法

飼い主さんが思い当たるものを中心に、改善の参考にしてみましょう。

原因1:うまく消化ができていない

対処法:食事の内容・量の見直し

フードのパッケージ裏面の「原材料名」表示をチェックしてみましょう。

原材料名の表示は、使用量の多い順に記載すると定められています。
「穀物(とうもろこし、小麦、米など)」が、最初のほうに書いてありませんか?

ワンちゃんは本来、穀物の消化が苦手などうぶつです。
穀物が多く含まれているフードは消化しきれないことが多く、便にフードの匂いが残る可能性があります。

また「食糞」行動の原因として、単純にフードの量が足りていない可能性もあります。
よく動いたり運動量が多いワンちゃんの場合は、フード量を増やしてみるのも一案です。

適切な給与量については、かかりつけの動物病院などにご相談ください。

原因2:犬にとって「便の取り合い遊び」になっている

対処法:飼い主さんが落ち着いて行動する、遊びに付き合わない

愛犬が排便したとき、無意識に「食べちゃう前に取らないと!」「踏まないで!」と慌てるような行動や声掛けをしていませんか?
それが犬にとって、便をめぐる「競争」や「遊び」に繋がっている可能性があります。

対処法としては、まず飼い主さんが落ち着いて行動することです。
排泄したときに少し離れた場所から落ち着いた声で褒め、おやつやおもちゃを使って犬を離れた場所へ誘導し、しれっと便を取りましょう。

この流れを繰り返すことで、犬に “排便すると嬉しいことが起こる” と理解させ、便への興味を失わせましょう。

原因3:犬が便に執着している(排泄した瞬間に食べる、取ろうとすると唸るなど)

対処法:効果的なタイミングと適度な刺激で注意する

長い期間「食糞」を繰り返すうちに、犬にとってその行動が癖やルーティーン化している場合があります。
排泄した瞬間に食べたり便を取ろうとすると怒って唸るなどの行動がみられると、このケースに当てはまることが多いでしょう。

この場合には、効果的な方法とタイミングで犬に「いけないこと」だと教える必要があります。
次の方法を試してみましょう。

  1. 犬が食糞をしようとした瞬間、身体にタッチする(少し強めが効果的)
  2. 犬がハッとして、行動が止まる
  3. 「そう、だめだよ」と低く冷静な声で伝える
  4. 美味しいおやつを与える

これは、先輩犬が後輩犬にマナーを教えるときの方法を再現しています。
飼い主さんの指先を犬の口にみたてて、食糞しようとした時に素早く刺激してみましょう。

この方法をお伝えすると、少し驚かれる飼い主さんもいらっしゃいます。
ですが犬は人間の言葉を深く理解することができないため、犬にとってわかりやすい手段で「いけないこと」を伝える必要があります。
原因1、2で改善がみられない場合や、原因3に当てはまりそうな場合は、ぜひ一度この方法をお試しください。

こちらの動画もぜひ参考にしてくださいね ↓

犬の行動やマナーの考えかた

犬の性格、体調、年齢、種類、経験、飼い主さんとの関係性などはそれぞれで、その対処法も本当にそれぞれです。

今回ご紹介した「食糞」に関しても、たくさんの原因とそれに合った対処法が存在すると思います。

不安なことがあれば、ぜひお近くのマナー教室や動物病院まで早めにご相談ください。

まとめ

ご説明したように「食糞」は飼い主さんが思っているよりも犬にとっては、ごく自然な行動です。
しかしその行動は飼い主さんから見て、決して気持ちの良いものではないですよね。
また便が歯に付着することで歯周病に繋がりやすかったり、身体からのSOSのサインの可能性もあったりするため、早めに対処できると良いですね。

愛犬の食糞にお困りの際は、ぜひご紹介した対処法をお試しくださいね。
このコラムが、皆さまと愛犬のよりよい関係性と健康に繋がることを心より願っています。

ぜひ下の関連記事も参考にしてくださいね。

 

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