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【専門医監修】犬のアトピー性皮膚炎|症状・原因・予防法

愛犬が、皮膚を痒がることはありませんか?
その原因はさまざまですが、特に若いワンちゃんの場合はアトピー性皮膚炎の可能性があります。
今回は、皮膚科専門医の大嶋有里先生に「犬のアトピー性皮膚炎」について教えていただきました。

この病気は、早期発見・早期治療が大切です。
症状・原因などを知って、愛犬の皮膚の健康を守りましょう。

監修

大嶋 有里 先生

獣医師/アジア獣医皮膚科専門医

犬と猫の皮膚科

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アトピー性皮膚炎って?

アトピー性皮膚炎のワンちゃんは、痒みを起こしやすい体質です。
体質であるため、治療を続けながら長い目で付きあっていく必要があります。
アトピー性皮膚炎は、柴犬、シー・ズー、テリア種、レトリーバー種、ダックス・フンド、プードル、フレンチ・ブルドックでよくみられますが、他の犬種でもこの体質を持っている場合があります。

具体的にどんな症状なの?

どの症例にも共通してみられるのは、痒みです。
赤みや皮膚を引っかくことで傷ができたり、脱毛がみられます。
症状が進むと、皮膚が分厚くなったり黒ずんできます。

アトピー性皮膚炎の犬は、セラミドや天然保湿因子の低下により皮膚のバリア機能が低下しています。
見た目には乾燥肌にはみえませんが、バリア機能の低下により、皮膚の水分が蒸発しやすくなっています。

さまざまな理由があるものの、このバリア機能低下が一つの要因となって、ブドウ球菌やマラセチアといった菌が増殖しやすいと考えられています。
症状は感染した菌の種類によって異なりますが、瘡蓋(かさぶた)やフケなどが多くみられます。

アトピー性皮膚炎の原因は?

未だにアトピー性皮膚炎の本態は、完全には明らかにされていません。
しかし、免疫学的な異常や皮膚バリア機能の異常といった遺伝的な要因に、アレルゲンなどの環境的な要因が関与して起こると考えられています。

遺伝的な要因が根本にあるため、最初に症状が出はじめるのは3歳以下と、若い時期であることが多いです。
皮膚のバリア機能が弱いため、アレルギー物質などの刺激に身体が反応しやすい状態になっています。
アトピー性皮膚炎の他に、食物アレルギー、ノミアレルギーなど他のアレルギーを併発している場合もあります。

治療・予防・スキンケアについて

アトピー性皮膚炎は遺伝的な要因が大きく、予防・完治が難しい病気です。
特にアトピー性皮膚炎になりやすい犬種では、発症していない場合でも一般的なスキンケアを行いつつ、若い頃から皮膚の状態をよく観察しましょう。
具体的には、定期的なシャンプーで皮膚を清潔に保ち、皮膚に変化があれば早めに動物病院で診察を受けることをおすすめします。

すでに発症している場合、治療は長期間になります。
ワンちゃんと飼い主さんに負担が少ない治療プランの検討、皮膚の状態に合わせたシャンプー剤の選択など、オーダーメイドのプランが必要です。
獣医師と一緒に検討し、なるべく早く治療を開始しましょう。

大切なことは、皮膚を良い状態に保ち、悪化させないことです。

アトピー性皮膚炎とうまく付き合うためのポイント

飼い主さん、トリマーさん、獣医師の三者が連携して治療にあたることが大切です。

飼い主さんは、動物病院からの治療プランを実行しつつ、皮膚の状態を観察します。
シャンプー後どのくらいの期間で、どんな症状がでてきたのかを記録しておきましょう。
携帯電話のカメラで、皮膚の状態を撮影することもおすすめです。

またトリマーさんにシャンプーをお願いする時は、治療プランを共有しつつ、シャンプー前後の変化を教えてもらいましょう。
その内容を動物病院に共有することで、治療の評価をしながら改善・悪化のパターンをいち早く把握することができます。

まとめ

「犬のアトピー性皮膚炎」について、いかがでしたか?
この病気は、犬のアレルギーのなかでも困っているワンちゃんが多い病気です。
一日中強い痒みを感じることで、ワンちゃんの生活の質(QOL)を下げてしまうため、できるだけ早期発見・早期治療を心がけましょう。
アトピー性皮膚炎の治療には様々な選択肢があるので、ワンちゃんの皮膚で気になることがあれば、早めにかかりつけの動物病院にご相談ください。

皆さまがワンちゃんの正しいスキンケアを知って実践してもらえるように、ぜひ下の関連記事も参考にしてくださいね。

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